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権利と責任(義務) [思いのまま]

戦後、"与えられた"民主主義が導入されて、今日の足場が確立された。軍国主義一色の戦前から一気呵成に先進国家への仲間入りを目指した。

戦争で全てを失った日本は生きるためなら手段を選ばず、良くも悪くも経済至上主義を軸として成長路線の軌道に乗る。そのような時代背景に背を押されて民主主義の一面でしかない個人主義=権利だけが価値観を支配していったのではないか。

それは幸いにして日本は一時的ではあったが先進国に追いつき追い越す契機にもなった。

一時はJapan as No.1として世界中を席巻し、その誇りに酔いしれていた日本があった。時には行き過ぎた思い上がりが世界中から非難もされた。

日本には個人と社会を穏やかに関係づけるトータルシステムとしての価値観があった。謙虚、謙譲、気遣い、思いやり、情けは人のためならず、などなど日本の社会に穏やかな絆がビルトインされていた。

反面、このような価値観は戦前の軍国主義を支えた精神的土壌でもあった。

しかし今日の日本ではその反動なのかもしれない行き過ぎた自己主張(我欲)意識が跋扈している。そして戦前、全体主義下で抑圧されていた個人が、権利を手にしてまるで子供のようにだだをこねて強請っても良いという風潮が見え隠れする。

あげくは権利という人権の前では全ての考えが思考停止を要求され、人道主義の声に圧倒されて議論すら出来無い事態にもなっている。

社会がインデペンデントで個人、個人が自己責任で生きているならいざ知らず、社会は互助するシステムを作って社会的安定を実現しようとしているのは云うまでもない。

極端に個人個人が責任をもって生きるべき、との米国流の小さな政府という政治信条は極端としてもその対極にあったはずの共産主義(現実にはまやかしの共産主義であったから)は今やナンセンスという時代にもなり、日本はどちらにも与しない単なる権利主義国家に、そしてそれを支えるポピュリズムという慢性期疾病を患ってしまった。

多くの先進国家では可能な限り個人の要求に沿うよう政治プロセスが出来ている。それが機能したのは経済成長という背景があったからだ。

しかし、個人の要求を満たす財源が欠乏しはじめた今、過剰化している権利を少しずつ剥ぎ落としてインデペンデントに生きていかなければならない時代になっていることを自覚しなければならない。

日本は幸か不幸かその先端にあるのではないか。いろいろ綻びはあるが日本ほど手厚い保障が実現している国はいくつかの小国を除いて希有だろう。それはまれな中産階級化をベースとした高度成長がそれを支えてきたからだ。

しかし成長を望めない今日では今までの価値観を変える時期が来ているのに、相変わらず権利の主張、人道至上主義が支配的な価値観であることに危惧を感じるのは私だけだろうか。

権利を実現する背景には再配分というシステムが必要だ。再配分するパイが増えないなら制約が生じる。これからは既得権と云われた権利も削る時代なのだ。辛い話だが、それを超えていかなければならない。

権利(利権)の見直しが必要だ。戦後多くの利権(権利)がばらまかれてきた。それは時代背景から許されたあるいは望まれたものであったのだろう。生活保護費、健康保険、失業保険、疾病に関わる保障、高齢者への援助などなど。

ところが様相が一変した。以前は必死になって頑張っていた、あるいは頑張る意欲があるが厳しい状況に追い込まれた人への再配分が原理原則だった。ところが今日では就業するより失業の方が条件が良いからと云って自発的失業を選ぶ、外来件数に表れるように安易に医療受給をする(ドイツでの外来件数の数倍が日本の現状)、就業するより原発の補償金の方が高いので自発的失業をする、このような例示を探すのにいとまがない。

依存する方が楽だ、という世の中は退廃への道に繋がる。社会的公平を求めた結果が逆の不公平になってしまう。これが「正直者が馬鹿を見る」今日の世の中のようだ。

明日に希望を持てない、持たなくてもいいという社会には明るい将来は展望できない。節税、脱税に明け暮れるのではなく喜んで税の納付によって責任を果たし、社会への関わりを継続することで個人と社会の接点を繋ぐことが出来、コミュニティーが再生され、そこに日本的絆が再生するのではないだろうか。

そのためにはまずは自立する気概と責任を果たす、それでも起きてしまうマイノリティー問題には自立するための支援を厚くする、ただただ依存しようとするグループには厳しい対応が必要だろう。それが社会的公平を実現するために通らなければならない道だろう。
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