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消費税増税 [思いのまま]

昨日消費税増税の法案が衆議院を通過した。今日までの経過を顧みて思うことがある。
まず政治家としての使命は何かと云うことだ。昨今に限らないかもしれないが、あまりにも政局だけが意志決定の動機として見え隠れする。党としてまた自分の首を守るために選挙だけが意志決定を支配している。だから世論調査を気にしながらポピュリズムに隷属することになる。政治家が信念を持ってこれからの日本を考えたとき、国民に対してその必然性、正当性を主張することが使命なはずだ。過去には命を賭して信条を貫き通した政治家が何人もいた。残念ながら岸信介以来主義主張はあっても狡猾な手練手管で国民を愚弄する政治家はいたが、ほとんどは世論に負けて腰砕け、猫の目にように立場を変えてしまう。しかもそう振る舞っても政治家はその生命を失う事はほとんど無かった。その程度の民意(選挙の洗礼で)でしかない。
今回の野田首相はそういう時流のなかでは希有な政治家だ。明らかに国民の積極的な支持を得られるはずもない苦い薬を信念を持って主張し続けた姿勢は見上げたものだ。自分の首をかけた決断は軽薄などんな批判をも超えた生き様として映る。それに引き替え小澤、自民党、公明党の主張には自己保身、選挙目当て、自分たちの行ってきた積年の膿を民主党に先送りした大元の元凶であるのに、恥じらいもなく責め立てる姿はきわめて見苦しい。

消費税増税という選択が正しいのかどうかは歴史しか証明できないが、今日的状況では短期的には市場の鬼との戦いを回避するために、そして長期的には社会保障の継続性を担保するためには選択せざるを得ない政策と私は考えている。全体的なスリム化、国家的無駄の排除は当然前提であることは云うまでもない。

高度経済成長時代の甘い蜜に慣れきった国民は得ること、与えられることにしか興味が向かわなくなってしまっている。しかし高齢化社会、その結果として人口減、そして低成長時代になったら、与えられている物を失い、奪われる時代になっていることを自覚しなければならない。この意識のギャップを埋めることが政治家の最大の使命であるはず。目先で起きる辛さを受け入れて将来起きる可能性の高いリスクを回避するという苦い薬の必要性を問いかけなければならない。

だからNHKの報道で今回の採決をどう思いますか、と、程度の悪い報道の仕方は何を意図しているのか分からない。しばしば叫ばれている日本のマスコミのレベルの低さが世論をミスリードしている現実がそこにはある。

マスコミが政治に対し正しい主張を要求するならマスコミ自らも襟を正して見識を示すべきではないか。どう思いますか、との質問に生活が苦しい、仕事に悪影響、被災地支援が先では、という私的な答えしか返ってくるはずがないのは分かっているはず。マスコミとして日本の将来をどうしたいと思っているのか、それを主張できないなら3流**実話とどこが違うのだろうか。

日本は何度も困難を乗り越えてきたが、今回は満たされた社会環境でのリスク対応のために、本気になって将来を考える、考えなければならない状況は皆無に等しい。例えば戦後と比較したら生きるために誰もが必死になって明日に向かっていたが、今日は少なくともある程度の生活が実現しているなかで、自分は何も考えない、何もしない、国が社会が私に手を差し伸べるべきと主張する。だから絶望的状況だといえるのだ。

明日の日本を考えるとき、部分最適を求めることで合成の誤謬に陥っている今日的状況から全体最適を志向する価値観を醸成するリーダの出現を待たなければならない。
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